エド&リーのブログ

別居中のアラフォーゴーストライターです。生き様もほぼゴーストです。結論の出ない話多めです。

【Bar】バー・のめんべぇ#1 誰もいない夜【No Man's Bay】

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ここは人無湾のそば、海岸通りを一本奥に入った場所にあるバー。その名も「のめんべぇ」。

ここは飲めない人が来るところ。飲める人はお断り。

のんべぇなんてとんでもない。来たらすぐに追い返す。

一応アルコール検知器も置いてはいるが、私の鼻はアルコール検知器よりも精度が高いのだ。

もちろん私もお酒は飲めない。だからこの店にはお酒がない。だからそもそもお酒を飲みたい人は来ないし、間違って入ってきてもお酒がないからすぐに帰ってしまうというわけだ。

この店は私ひとりでやっている。

正確には私ひとりともう一匹。黒猫のイサもいる。イサは昔の言葉で鯨という意味らしい。

イサは2年前の秋のある日の午後、私が店に着いて10分後くらいに、いきなり知らないおじさんが連れてきた。最初は強盗か何かヤバいやつが入ってきたのかと思ったけど、よくよく見ると身なりが小綺麗だったので、私はいつものテンションで、いきなり店に入ってきたそのおじさんに「こんにちは、どうしましたか?」と声をかけた。

おじさんは少し急いでいるような様子で「この猫、さっきそこの浜で鯨から預かったんだけど」と言った。やっぱりヤバいやつだったと思った私は、瞬時に「そうなんですか…」と、とりあえず話を聞くふりをしながらゆっくりと入口の方へ向かい、それ以上おじさんが中に入ってこないように…というか、おじさんを店から追い出そうとした。

とその時、おじさんの「あっ」という声とともに、おじさんが抱いていた猫、つまりイサが店の奥に飛んで逃げて行ってしまった。店の奥に行ってしまったイサを追いかけるかおじさんを追い出すかの選択に迫られた私は、とりあえず自分の身を守ることを最優先に考え、イサのことは無視しておじさんの方を向いたままおじさんをドアの前まで追いやった。

「大丈夫です、あの猫はこちらでなんとかしますので。ありがとうございました」

私がそう言うと、おじさんは被っていた帽子を取って私に一礼をし、自らドアを開けて出ていってしまった。見た目は結構紳士だった…ような気がする。

状況がよく理解できないまま私はとりあえず「準備中」の札をドアに掛け、ドアの鍵を閉めて店の奥に向かった。イサは奥の部屋のパソコンのある机の下に少し警戒する様子で隠れていた。

その後いろいろあって、イサはこの店で、というか私が飼うことになったのだった。なお、あの日以来あのおじさんはこの店には来ていないし、未だに「鯨から預かった」の意味もわからない。やはりあのおじさんはヤバいやつだったのだろうか。

それにしても今日は暇だ。火曜日の21時15分。いつもなら…いや、いつもではないが、まぁだいたいいつもなら誰かしら来ているものなのだが、今日は誰も来ない。天気予報で22時くらいから小さい雪マークがついていたからかもしれない。まぁそうだよな、今日は寒いし、まだ火曜だし、雨も降ってるし、風もちょっと強いし、誰も来ないのも仕方がないのかもしれない。

あと2時間待って23時まで誰も来なかったら今日はもう帰ろう。

それにしても暇だ。そして静かだ。

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